本日はドメイン(.comとか.netとか)の登録数ランキングを確認し、考察していきます。
世界のドメイン別登録数
世界のドメイン別登録数は以下の画像のとおりです。
もっともポピュラーな.comが圧倒的な1位ですね。その数1億4200万件。
.netは意外にも少なく、1300万件と5位。
3位にはTokelauという謎の国別ドメイン.tkがランクインしています。
ちなみに、わが国の国別ドメインである.jpドメインは159万件程度なので、ランクインしていません。
それでは、順番に詳細を見ていきましょう。
【1位】圧倒的人気の.com
.comドメインはドメインの仕組みが決まった当初に制定されたgTLD(general Top Level Domain)のひとつですね。その他、当初からのgTLDとして、以下の5つがあります。
- .net
- .org
- .edu
- .gov
- .mil
現在のところ.comと.net、.orgはドメイン取得者(取得団体)の籍や性質に関係なく、保有することができます。一方、その他のドメインは、.eduならアメリカの教育機関、.govならアメリカの行政機関、.milならアメリカの国防機関というように、それぞれ利用できる団体が決まっているのですね。
話が逸れました。.comはドメイン制定当初から運用されている実績があるため、知名度が高いということが、まずは言えます。
.comの語源はcommercial、つまり商業のという意味があり当初は会社のホームページのために利用されてきた経緯があります。しかし、コンピュータやインターネットが庶民にも普及してくるにつれ、一般の利用も増えてくるようになりました。
ドメインとは一意の住所を表すものですから、一意性があれば利用上は何ら問題ありません。なので、ドメインを利用する上では.comだけが特に優れているという理由はありません。
しかし、当初からのgTLDとして知名度が高いことから、ドメイン=ドットコムのようにデファクトスタンダードとなっています。.comドメインの利用が増えれば増えるほど、デファクトスタンダードであるという事実が強調され、スパイラル方式で登録数が伸びていった結果なのでしょう。そして、これからもそうであると思います。
【3位】Tokelauのふしぎ
ランキングに中国(.ch)やドイツ(.de)、イギリス(.uk)などの国別ドメインが並ぶ中、見慣れない国がひとつあります。それがトケラウ(.tk)です。
トケラウはこの辺りにあるすごく狭い島国です。
面積は10km3です。半径2kmの円よりも小さい面積ということです。すごく小さい。そして、人口は1400人。とても人が少ない。人々はちょっと農業や漁業をやって、ほぼ自給自足で暮らしているだけ。
そんな島国のカラクリは、以下のサイトに書いていましたので、一部を拝借します。
「.tk」ドメインでの登録が人気となったのは、オランダの起業家ジュースト・ズービエルが、「.tk」というドメイン名で登録ができるFreedom Registry(現在のFreeDom)を創設した2000年からのことだ。ズービエルは、完全に無料で登録できる理想のトップドメインを探していた。色々調べた結果、彼はトケラウに行き着いた。
ほかの多くのドメインと違って、「.tk」ドメインの登録には一切費用はかからない。しかし、登録しても一定期間使われなかった場合は広告ページに置き換わる。その場合、「.tk」ドメインを法的に所有するのに料金が必要になる。
FreeDomは、放置された「.tk」ドメインに広告を置くことで利益を上げ、その一部をトケラウの人々に還元している。2012年にはその支払いが、120万ドルしかないトケラウの年間国民総生産(GDP)の1/6を占めるまでになった。
出典:世界一の国別ドメイン数を誇る小さな島の不思議(WIRED)
気になったので.tkドメインを無料で取得できるサービスFreeDom Registryを調べてみましたが、現在はFreenomという名称に変わっているもよう。
そして以下の画像のとおり、.tk以外にもいくつかのドメインが無料で登録できるとのこと。
それぞれ、以下の国のドメインだそうです。
- マリ共和国(.ml)
- ガボン共和国(.ga)
- 中央アフリカ共和国(.cf)
- 赤道ギニア共和国(.gq)
先進国(たぶんアメリカ)はアフリカの国々にもドメインを割り当てましたが、結局は先進国が便利に使う構図が出来ているわけですね。変な感じがしますが、おもしろそうなのでどこかでドメインをひとつ取得して記事にしてみたいと思います。
以上、.tkドメインについてでした。
【5位】.netドメイン
上述のとおり、.netドメインは当初のgTLDのひとつですね。由来は想像のとおりNetworkという言葉です。
.netは日本国内ではかなりの知名度があるため、てっきり世界2位かと思っていました。日本国内では2位~4位の国別ドメイン(中国・トケラウ・ドイツ)を見る機会は少ないですから、5位の.netが2位だと思ってしまうのは、感覚的には決して間違っていませんが。
.orgも7位にランクインしており、当初からのgTLDは軒並み人気があることが伺えます。そのなかで.com > .net > .orgの順で人気なのは、過去からの伝統でしょう。
【ランク外】.jpドメイン
ランク外でしたが、日本で多く目にするのが.jpドメインですね。
個人的には、ドメインを取得しようと思える文字列があったとして、その.comや.netが埋まっているときに使うことが多いイメージです。まんま知名度の差ですね。
維持費の面で見てみても.jpは若干不利です。.comや.netは年間1,000円程度が相場ですが、.jpの場合は3,000円程度がかかります。少しお高いですね。
世界中で知名度のあるドメインと、日本国内でのみ知名度のあるドメインがあり、前者の方が維持費が安いのであれば、なるべくそちらに流れるのはサルでも分かります。
日本語サイトだから.jpドメインにしておけばSEO効果がある、という訳でもないようなので積極的に.jpドメインを利用する理由は、今のところありません。
まとめ
本日のまとめです。
- .comは登録数ダントツの1位。2位の約7倍の登録数を持ち、事実上のスタンダード。
- .tkは3位。無料で利用できるドメインとして世界中で多く利用されている。
- .netは意外にも5位。世界中で利用されており知名度は高い。
- .jpはランク外。日本の利用者はそれなりに多いが積極的に選択する理由はない。
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